エビリファイってどんな薬?

エビリファイは総合失調症、うつ病、うつ状態などの精神疾患の治療時に用いられる安定剤です。

うつ状態 への処方時は既存の抗うつ剤では十分な効果が得られない場合に限り処方すると能書に記載されているので、比較的効き目の強い抗精神薬であることがわかります。

従来うつ病や総合失調症の治療にはフェノチアジン系薬剤やブチロフェノン系抗精神病薬が用いられてきましたがエビリファイの主成分である「アリピプラゾール」は非定型抗精神薬と呼ばれています。

「非定型」なので従来のフェノチアジン系薬剤やブチロフェノン系とはタイプが違うということになります。

ではどの様な点が違うかというと、最も大きな違いは従来型の定型抗精神薬で起こりや錐体外路(すいたいがいろ)症状が比較的少ないという点です。

錐体外路症状とは大脳皮質運動野から抹消神経にかけて接続している神経路(錐体外路)以外の神経の通り道に何らかの障害が生じる症状です。

主な症状としては

  • 筋肉の緊張が過剰となり動きが鈍くなること(硬直)
  • 筋肉の緊張が低下して動きが多くなること(振戦やヒクつきなど)

が挙げられます。

従来の定型抗神経薬はこうした副作用が強く出てくる傾向があるのですが、エビリファイにはこれが少ないので、処方される機会が増えました。

精神疾患の場合多剤投与が行われるケースも多いので、副作用についてはできるだけ少ないに越したことはないのです。

なお、総合失調症やうつ病、うつ状態に対して抗神経薬を投与する際にエピリファイ(アリピプラゾール製剤)を投与する場合では一種類のみ保険適用が認められています。

(総合失調症発症のメカニズムについて)

総合失調症とは幻覚や妄想、興奮などの激しい精神症状の他にも意欲の低下や感情の起伏の喪失、引きこもりなど多彩な精神症状を引きおこす精神疾患です。

うつ病が進行すると総合失調症に移行しやすくなるとされています。

現在日本にはおよそ79.8万人の総合失調症患者がいると推計されています。

発症は10代後半から30代にかけての若年層に多く、10代後半から20代にかけてピークになるとされています。

この病気は進行性の疾患で放置していて良くなるということはありません。

しかし細かい部分は未だによくわかっておらず、今の所完治に至る根本的な治療法は存在していません。

したがって、治療は現出している症状に対して投薬治療を行う「対象療法」となります。

エビリファイはこうした総合失調症の治療薬として開発された医薬品で、よく似た症状を持つうつ病や重症度の高いうつ状態の治療にも適用されるようになりました。

細かい原因は不明と言いましたが、今の所わかっているのは「遺伝的要因」と「環境的要因」が複雑にからまって発症するのではないかということです。

しかし、一卵性双生児では片方が発症した場合のもう一方の罹患率は50%、また母親が総合失調症を患っている場合、子供への遺伝はおよそ10%と遺伝的要因は影響はあるものの絶対的なものではなく、素因と環境とを比較した場合環境は素因の1/3程度の影響であるというのが現在の主流となる考え方です。

*素因・・・原因と同義ですが、この場合の素因とは後天的に影響を受ける人間関係(両親や教師、友人など)や仕事や勉強に対して感じている精神的なストレスを意味しています。

これに対して環境とはそのものズバリで、環境汚染や環境ホルモン、PM2.1などの化学物質による空気汚染や水質汚染など具体的な生活環境を意味しています。

総合失調症が発症するメカニズムとしては神経間の情報伝達を担うドパミンやセロトニンといった神経伝達物質の機能異常が大きく関係していると考えられています。

エビリファイはドパミンとセロトニンの受容体の働きを阻害して機能異常を改善させることを目的として処方される薬です。

エビリファイの副作用と禁忌について

エビリファイは抗精神薬なので副作用や禁忌(投与できないケース)には十分注意しなければなりません。

(初期服用:服用開始直後には以下のような副作用が出る場合があります。

  • 起立性低血圧(たちくらみ)、めまい

(副作用)

  • 体重増加
  • 隠された嘔吐:吐き気を抑える作用があるので、薬物中毒、イレウス(腸閉塞)、脳腫瘍などの吐き気を催す病気の際に吐き気を感じにくくなり病気の発見が遅れる可能性があります。
  • 眠気
  • 集中力の低下、注意力散漫
  • 反射運動能力の低下

など

(重要な副作用)

  • 陽性症状の悪化:興奮、非協調性、緊張、誇大性、敵意
  • 悪性症候群:無動緘黙(むどうかんもく)、筋肉の硬直、嚥下障害、頻脈、血圧が不安定になる、発汗、発熱など
  • 遅発性ジスキネジア:長期服用時に起こる口周囲などの不随意運動(口の歪みや口唇部痙攣など)
  • 肺塞栓症、深部静脈性血栓などの血栓性疾患
  • 腸管麻痺(イレウス、便秘、悪心、嘔吐などの消化器症状)
  • 筋肉痛、脱力感、横紋筋融解症
  • 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡
  • 肝機能障害、黄疸
  • 低血糖発作:脱力感、倦怠感、冷感、振戦、傾眠、意識障害など
  • 無顆粒球症、白血球減少症(血液の障害、免疫力の低下を招きます)
  • 痙攣発作
  • 低ナトリウム血症、意識障害
  • 心房細動、心室性期外収縮などの不整脈、心筋梗塞
  • 脳血管障害
  • 持続勃起症

エビリファイの禁忌

  • 糖尿病かその既往がある患者にエビリファイを投与すると著しい血糖値の上昇から糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡などの危険な副作用をもたらし、場合によっては死に至るケースもあります。

したがって糖尿病患者への投与は禁止となっています。

(また境界型糖尿病=糖尿病予備軍に対しエビリファイが投与され、服用中に口の渇き、多飲、多尿、頻尿など血糖値の上昇が疑われる症状が出た場合には直ちに服用を中止して処方医に連絡をしてください。

  • 昏睡状態の人
  • 中枢神経抑制薬(バルビツール酸製剤、バルビツール酸誘導体など)の強い影響下にある患者
  • アドレナリンを服用中の患者
  • エビリファイにアレルギーのある患者
  • エビリファイ以外の非定型型抗精神薬に対してアレルギーのある患者

上記のような症例または前例がある人にはエビリファイは投与できません。

(慎重な投与が必要な場合:以下の疾患への既往または疑いのある身体状況の人への投与は慎重を要します。

  • 肝機能障害
  • 心疾患、血管疾患
  • 脳血管障害
  • てんかんなどの痙攣性疾患
  • 自殺を企図したことがある人、または自殺願望のある人
  • 家族性の糖尿病、高血圧症、肥満症の疑いがある人(糖尿病への危険因子があると考えられる人)
  • 高齢者
  • 腎機能障害の既往がある人
  • パーキンソン病の既往がある人
  • 薬物過敏症
  • 脱水、栄養不良などの身体的な疲弊がある人
  • 小児
  • 不整脈、先天性QT症候群(不整脈からくる心臓病)またはQT延長(不整脈の一種)を起こす可能性のある薬を服用中の人
  • レビー小体型認知症
  • 妊婦、または授乳中の女性
  • 小児

(服用に際しての注意点)

副作用に眠気や注意力の散漫、反射神経能力の低下などがあるので、服用後は危険を伴う作業は行わないようにします。

また、食事の吸収を受けやすいので、食後服用することが望ましいとされています。

入手方法

非常に重篤な副作用が報告されている薬です。

特に糖尿病の既往や現在治療中の人、またはその疑いがある人(肉親に糖尿病の人がいる、境界型糖尿病であるなど)には危険な副作用が報告されているので、服用の際には医師の診断を受けた上で適切に服用する必要性があります。

また、この薬は医療用医薬品であり、国内で入手する際には医療機関で診察を受けた上で総合失調症かうつ病の確定診断が必要となります。

確定診断後に処方箋が発行され調剤薬局経由で処方される流れになります。

抗精神薬は副作用の問題が深刻なので、きちんと診察を受けてから処方を受けるようにするのが理想的です。

しかし、もし何らかの理由でどうしても個人輸入代行を使って購入したい場合であったとしても医師に相談して、服用可能かどうかを確認してもらうようにしてから購入するようにしてください。